こんにちは!パターンを描く人、さんいんちです。
今回はモチーフがありつつもモチーフがない…
そんなパターンを作っていきたいと思います。
どういうことなのかというと答えはシンプル。
「要素だけピックアップするから」です。
モチーフの中には主張が強いものがたくさんあります。
パターンを作る時、どうしてもそのモチーフの大きなイメージに偏ってしまいがちです。
それが良く働く場合と悪く働く場合があります。
例えば野球ボール。
そのままモチーフとして使うとまんま野球ボールなのですが、縫い目だけをピックアップすると違う印象のパターンができます。
(この後見ていきます)
目立たせたいものの部分のみに注目して、さらに並べ方も変えてみると様々なバリエーションが出てきます。
どんどん抽象化していき、モチーフのイメージからは離れていくと思います。
あくまで私の考えですが、モチーフそのものに見えなくても面白いのでは?と思っているので、普段モチーフをゴリゴリ描いているよ!という方にぜひ読んでいただきたいです。
もちろんモチーフの強いイメージを全面に押し出したパターンを作るんだ!!という場合はむしろモチーフそのままの方が良いと思います。
目的によって変えてみるといいかもしれません。
それでは具体例を見ていきます。
具体例
今回のモチーフは野球ボールです。
特徴としては、二次元で見ると正円で、縫い目が規則的に並んでいるところです。
なんとなく高校球児を想像するに至り、力強く元気なイメージがあるなと私は感じます。
パターン化してみました。
形としてはやはり正円が強いです。
配色にもよりますが、野球に関する色々なストーリーが思い浮かびます。
どうしてもイメージは固定してしまう感じです。
このイメージを引き剥がすのはなかなか難しいのではないでしょうか。
モチーフが持つ力というものをひしひしと感じられるような例ですね。
バッターアウト!
次に野球ボールの特徴である縫い目の要素にフォーカスしたパターンを見ていきます。
曲線が強調されるような形が目立つようになりました。
球の正円が無くなった分、野球ボールのイメージの強さは弱まりましたね。
抽象的になってきました。
こうなると並べ方によっては野球ボールからかなりかけ離れた印象のパターンになりそうです。
色々な新しい図形が見えてきます。
今回は縫い目の要素に添えるようにボールの丸も取り入れてみました。
今の状態だとまず曲線が見えるので、モチーフの持つイメージの力は味方ではなくなります。
こういう時はきちんとした自分の指針が必要ですね。
面白い形を探すのもいいですが、どこまで抽象化するかもきちんと考えていきたいところです。
繰り返しになりますが、今回の方法は絶対にモチーフを描くんだ!という時には役に立たないかもしれません。
ただバリエーションを作りたかったり、面白い形を探してみたい時には考えてみる価値はアリかと思います。
格上げ
毛糸の帽子の網目の要素に注目したパターンです。
全体の形のイメージもふんわり残しつつ描きました。一見レースのように見えるのですがよくみると実は帽子、のような。
アクセントカラーも利用し、単調にならないように配慮しています。
この場合アクセントカラーはあまりビビッドにしすぎないようにした方がいいかなと思い、少し渋めの色で冬感を演出してみました。
色々な見え方をすると全体的に面白く、密度が濃く感じられるようになりますね。
まとめ
- 要素だけを引き立たせるとまた違った印象のパターンができる
最初はモチーフ自体の印象がなくなってしまうことは悪いことだと思っていました。
しかし最近はイメージが広がるのでいいじゃん!!と思うように。
自分がどれくらいモチーフのイメージを残したいかによって描き方がずいぶん変わってきます。
しっかり調節できるようになるため、試行錯誤の毎日です。
脳内沸騰!
では本日はこれまで。
アデュー!